それでもユヴェントスは続く
「ユヴェントスらしさ」
よく同じサポーターの中でも
このワードを耳にする。
だが幾多ものタイトルを獲得し、
クラブが成長するにつれて
「ユヴェントスらしさ」を考えると
一体、何がなんなのかわからなくなる。
私事ながらひと昔前の話をする。
自分が中学生でサッカーに励んでいた頃、
どこのチームもFCバルセロナのような
美しいサッカーに憧れ、目指していた。
自分の所属していたチームもそうだった。
だが、ふとしたキッカケで
ユヴェントスを見た時、
当時のトレンドとは全く違くとも
熱く、泥臭いサッカーの魅力に惹かれ
感動まで覚えた。
それからファンになり、ユヴェントスについて
猛勉強し、ある考えに至った。
ユヴェントスというチームを作ったのだ。
だが、僕が好きになった時の
ユヴェントスというチームは
年々、薄れている気がする。
エンブレムが変わりストライプも廃止された。
次々とクラブのレジェンドが去っていく。
自分の中で哀愁が漂うと同時に
これが良い方向に向かっている
というのはわかる。
事実、近年移籍市場が開かれると
ビックネームを獲得することができる。
クラブ収入は上がり、人気度も高くなり、
クラブの立ち位置は大きく変わった。
着々とクラブが良い方向に行っている
何よりの証拠だ。
自分が好きになった頃のユヴェントスは
今はないに等しいが、今に繋ぐための
ステップであり、1つの歴史である。
歴史は現在進行形で刻み込まれ、変容する。
今、活躍している選手も
歴史の一部となり、未来を良く変える。
そう信じている。
これまでの執筆を見ている方なら
「サポーター辞めたらいいじゃん」
と思うかもしれない。
その気持ちはサラサラない。
何故なら、
「ユヴェンティーノで良かった」
と思える瞬間が幾つもあるからだ。
それは強く、美しいサッカーを目指しながら
心の中では情熱に満ち、
FINO ALLA FINE (最後の最後まで)
の精神を心得ている選手、監督、
スタッフ、フロント陣や会長がいるからだと
考えている。もちろんサポーターも。
長い歴史でも変わらない事。
ユヴェントスらしさ
とはこの事かもしれませんね。
これから良い方向、悪い方向に向かっても
ユヴェントスはそれでも続く。
情熱は続く、FINO ALLA FINE.
(執筆者:白黒コサック)